2010-03-11 – blog – Junko Takei , Klavierstunde

  • 転機

ドイツに留学してしばらく経った頃、周りの若い世代の才能の凄さ、仕事を中断して勉強している自分の立場など、考え込んでしまった時期があります。

先が見えず「私がここにいる価値があるのか、学び取りたいことは自分の力で勝ち得られるのか」
と、随分悩みました。

言葉も思うように通じない場所で、自分なりに納得の出来る結果を出すことの難しさを感じていました。

その時、
「世の中は、例えば技術やもともとの才能だけが優れている人だけで作られている訳ではないと思う。 才能があったとしても努力をしている人が実は大半を支えているのではないかな。 ヨーロッパの文化を水のように吸収し、努力する、それだけで(私の)進む方向は見えてくると思う。 才能があるかないか、そんなことを考えている暇があったら限られた時間、外を歩いてヨーロッパの音を自分のものにしたらどうか」

そのようなことを、言ってくれた方がいます。
努力を人には見せず、奢らない人だったので言葉に説得力がありました。
厳しい言葉でもあったので、更に落ち込んだのですが^^;

それから、結果的に前に道が拓けてきました。

前に立ちはだかる壁に対して よじ登る方法を必死に考えていたけれど、立ちはだかる壁は 実は自分が作っているのかもしれない・・と、後ろに出来た道を見ながら思いました。

「慰めでもなく、諦めでもなく、でも現実を見据えた、相手の意志を尊重する言葉」を人に発する事はまだまだ私には難しいかもしれませんが、何十年後かは・・こうやって言葉を掛けてくれた多くの方々の様に私も成長したいな、と思っています。