2010-05-13
- 楽譜から
GW中にショパン生誕200年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」へ行かれた生徒さんがいます。
多くのコンサートを聴かれたそうで、先週お話をお聞きしました^^
ショパン展(丸ビルホールにて)にも足を運ばれたそうで・・ 展示されていた曲(楽譜)の自筆譜ファクシミリを頂きました。
偉大な作曲家を演奏する華やかな舞台や多くの研究、私には手の届かないような世界と感じて遠くを眺めるのですが・・なぜか自筆楽譜の筆跡を見ていると、作曲家がとても身近に感じられます。
無限に広がってしまう空間が、閉じられるような気持ちです。
「小さな私でも 音楽に向き合って良いんだな」という不思議な安心感です。
ショパンのゆかりの場所へは、残念ながら行ったことがないのですが・・
他の多くの作曲家の生まれ育った家、住んでいたアパート、記念館など、自筆の楽譜や書簡が展示されている..ところを、行く先々で調べては歩きました。
時代の息遣いが聴こえる 静かな空間で向き合うのは、確かに人間として生きた作曲家の人生でした。
ロベルト・シューマンがクララと一時期住まいとしていた あるアパートメントは建物の2階の一角、1階は小学校として使われていました。
丁度子供たちが外で多く遊んでいて、入り口も記念館には見えず・・何度も通りを往復して「ここでよいのかな」と迷った記憶があります。
「入ってもよろしいですか?」と 聞くと「2階は自由にどうぞ」と言われ、誰もいない部屋に上がった時の空気が忘れられません。
夕刻 木漏れ日が窓から降り注ぎ、高い壁面にはベートーヴェンのマスクが飾られ、自筆譜などがケースの中に2部屋に渡って展示されていました。
遠く、子供たちの元気のよい声が聞こえてきます。
論じる隙間はないような、生活と穏やかさを何故か肌で感じる場所でした。
ロベルト・シューマンも、今年が生誕200年になります。
自分の目と耳を使って感じたこと、大切と思って心にしまってあることひとつひとつが、頂いたファクシミリから連想され思い出されました。
生徒さんとのコミュニケーションから 忘れていた意識を表面化する多くのきっかけをもらっている、と日々感じて感謝しています。