2010-12-06 – blog – Junko Takei , Klavierstunde

  • 信頼する、信頼される

ここで力を発揮する、という時に自分なりの表現ができるということ。

思い出すドイツでの一場面がありました。

クラス内の発表でひどく緊張して集中も飛んでしまい..弾きとおすのがやっと、という演奏をしてしまった後、

そのクラス内の演奏の良し悪しで、その後行われる予定の一般的に公開されるコンサートに出演する生徒を選抜していた時「純子弾いてみる?」と先生に聞かれたのです^^;


あの時のほかの門下生の目は忘れられませんが。

先生からもらった「あなたは弾けるよ」というメッセージ。

その期待に答えるべく、ステージでの「演奏」を180度変えなければならない、と意識を変える努力をしてみた結果、「自分の力で表現する」という手ごたえを生まれてはじめて味わった気がしました。

あるラインから先生は入ってきません。その線が不思議なようで心地よくもありました。

先生が自分の生徒として信頼して投げてくれたものを受け取る、受け取ったものを自分で自分なりに力にしていく、という作業をもくもくと繰り返していたような、気がします。

向こう側でニコニコしながら生徒達のステージでの演奏に拍手を送っている、ああいう大きさは芯の通った存在感そのものだな、と思い出します。