Blog/2010-07-05

2010-07-05

  • 境界

先日、もう随分前にチェコへ行った時のことを書きましたが・・

ドイツのある駅からプラハへ寝台列車で移動した時のことを思い出しました。

4~6人くらいが一部屋のコンパートメント、2段か3段のベッドが満員。
その時は空調が上手く働いていなくて、でも暑いとか寒いとか言っていられない状況でした。

夜中の2時頃だったか、列車の走る音、止まる音・・以外は物音ひとつしない時間帯、真っ暗な車室にいきなりドアを叩く大きな音がして、大柄な男性が二人入ってきました。

皆寝ているところを一人一人顔を懐中電灯で顔を照らされ、怒鳴るような声で(と、感じたのですが)「パス(パスポート)を見せろ」と。

国境でした。

全くの無表情で有無を言わせぬ声の調子に、まるで映画のワンシーンを自分の体から離れて遠くで眺めている気持ちでした。

簡単な検問、とは分かっていても、威圧感のある存在に接して まるで自分が捕虜になったような錯覚、 心臓の大きく鳴っているのが聞こえたことを思い出します。