Blog/2010-01-11

2010-01-11

  • 風景

1月は2日から信濃美術館が開いていました。
数日前になりますが、美術館収蔵品展と東山魁夷展を観てきました。

まだ雪もお庭に残っていて、東山魁夷美術館からの外の眺めは美しいものでした。

信濃美術館本館の、今回の美術館所蔵の展覧会の題目は、「山を描く」。

信州にゆかりのある画家の作品が、テーマに沿って展示されていました。
描かれた風景は、信州以外の景色も。

長野は山に囲まれ、標高が高くなると北ヨーロッパのような樹木の林もあり、雰囲気のある別荘地観光地として発展している地域も多いです。
絵本で「どこかで見た事のある風景だなあ、きれいな高原だけど海外の風景ではないな」と思っていたら、長野県の八ヶ岳にもゆかりのある作家の方であったりします。

今回の展示で、長野の風景の中でも、特に印象深かったのは不破章の多くの作品でした。
白馬、志賀高原 など長野市からも身近な場所も多く展示されていて、透明感のある色彩で描かれていました。
展示は1960年代から70年後半の作品。
数十年前と、自然の色は変わっていないのですね。

この場所から私も光景を見た、という絵が何枚もありました。
心の風景が上塗りされるように焼きなおされます。

菱田春草の蒔絵も今回展示されていました。
日本史で名前を覚えたことがある・・程度の知識しかないのですが、目の前にすると感性の豊かな日本画の深みを感じられました。

同時開催の小展示室 「川上冬崖の世界」、そして東山魁夷館の 「憧憬と郷愁」
に移り見ていったのですが・・今立っている場所から、ヨーロッパの行ったことのある場所まで、心の中の私を支え続けるものとしての光景が漠然としたものからクリアになっていきます。

数時間すると、また現実の感覚に戻ってしまいますが・・ 心の底に横たわる水面を一時でも思い出す時間として、絵を見る時間は私にとっては大切なものです。

私の文章では言葉が上手く使えず、伝わりきらないかと思うのですが・・また他の展覧の感想も書けたらと思っています。