全日本ジュニアコンクール – blog – Junko Takei , Klavierstunde

日本ピアノ研究会主催のコンクールの全国大会へ行ってきました。
C級(中級レベル)に、小学校3年生が1名出場しました。

自由曲制で、時間制限のみ。
待つ間、数名の演奏を聴いて、「これは勝負にならないな」と。
とにかく、低年齢化。。

昨年も出場されていた年長さん…今回一年生の子供さんが、凄い速さと正確さ、バランスも完璧にグリーグを弾いています。

弾いて舞台から楽屋へ戻る子供さん方の小ささに…完璧な演奏とは不釣り合いなほどの年齢に驚きました。
「今弾いてたモーツァルト、凄く煌びやかで粒も揃って綺麗だったよね…まさかこんなにまだ小さな子が…」という感じです。

小学校4年5年となると、中学生、それ以上のレベルと思われる曲が並んでいました。
私が聴いた部では…皆さん年齢以上の基礎力を習得されている方々ばかりでした。

年齢も下はきっと年長さん(は、いなかったかも、ですが…。小学校1年生位〜)から、多分中学生までのエントリーがあったかと思います。

年齢の縛りもなく、レベル毎。
制限時間一杯、自由に弾かせてくれる(!)生徒さんを伸ばす要素の沢山あるコンクールです。

地方の予選本選も、課題に加え自由な選曲が出来ます。
細かな点に必要以上に拘らず、、生徒さん毎に音楽を作れるのが私にとっては一番の魅力です。(それぞれの年齢での、不必要な些細な点まで詰めることは、大人のエゴになってしまうかなと。)
自己表現という観点から、本当に伸びます。

伸び伸び個々の表現が出来る、というコンクールです。

が、やはり年々他のコンクールでも活躍されているであろう、飛び抜けて素晴らしい子供さんの参加が増えてきて。

結果は、関東勢がひしめく中の入賞で、銅賞に次ぐ上位を頂き、ホッとしました。

一部12名程、昼過ぎから夜まで演奏が続きます。今回は60名程のエントリーでした。
画像の説明

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長野地元で行われたコンクールの予選に出られた生徒さんも、予選通過のメールを頂きました。
この生徒さんは、マッハの速さで基礎、バッハ、その他小品をコンクール曲以外に仕上げてきます。

親御さんもお忙しく、毎日一人で黙々と長時間練習しているそうで。
生徒さんの鏡です。
親御さんが、「本当に(娘さんが)ピアノを好きなんだなあと思う」とおっしゃる位なので。

きっと、頭の使い方がとても上手な生徒さんだと思います。
自分で探求出来たり、試したり出来なければ。。
レッスンで言われた通りに弾くだけでは、長時間ピアノの前にいるのは難しいです。

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ピアノは、とにかく沢山の基礎要素を学び、沢山の曲を素早く仕上げ、出来る子はその上でのコンクールなので、ある意味大変な楽器だなと思います。
一曲二曲のみを長期間となると、場合によっては生徒さんの芽を摘んでしまいます。(勿論、数曲を長期間、必要な時もありますが)

加えてソルフェージュ的な知識も、和声も、フレーズの知識も。
バランス良く勉強して、ようやく理解出来る楽曲、楽器です。

音を出すのは、よく言われる事で、猫さんでも出来る。簡単ですが。

本当に、大変。
でも、ピアノの前にいる時は、どんなに不安があっても、時には頭が痛いなど身体の調子が悪くても、すーっと心が落ち着いて良くなってしまいます。
ピアノの前から離れると、又具合悪くなったりもしますが(笑)

これが、途中大変なことだらけで何度も何度も挫折して、もう二度と鍵盤は見たくない…とピアノの蓋を閉じたこともある私ですが、今も弾き続けている理由でしょうか。

目指す方向と、音楽の本質を忘れないようにと思った、ここ数日です。